『アスディワル武勲詩』クロード・レヴィ=ストロース、西澤文昭訳、内堀基光解説(ちくま学芸文庫)
2011年
174頁
定価:990円(税込)
目次(収録作品)
1 ツィムシアン族の人々
2 アスディワルの冒険
3 地理・経済・社会・宇宙観
4 冒険がもつメッセージ
5 メッセージの構造分析
6 異伝が語ること
7 矛盾の克服としての神話
8 伝承による変形
9 神話の構造化と伝播
太平洋カナダ沿岸の先住民・ツィムシアン族にさまざまに異なるかたちで伝わる神話群、アスディワル武勲詩。多くの部族社会や天上界の人びとと結婚をくり返しながら、謎に満たち遍歴をくりひろげる主人公、アスディワルを中心として物語は展開される。著者はこの物語群を宇宙観、家族組織、地理、経済など多角的な視野から比較・分析、神話が成立・変容する過程を解き明かし、背後にひそむ共通の構造を浮かび上がらせる。レヴィ=ストロース人類学の集大成『神話論理』へと結実する思考の軌跡をもっともあざやかにしるす記念碑的名著。
出典:筑摩書房公式サイト