『アラブが見た十字軍』アミン・マアルーフ、牟田口義郎・新川雅子訳(ちくま学芸文庫)
2001年
489頁
目次(収録作品)
序章 千年の対立ここに始まる
1 侵略(一〇九六~一一〇〇年)
2 占領(一一〇〇~一一二八年)
3 反撃(一一二八~一一四六年)
4 勝利(一一四六~一一八七年)
5 猶予(一一八七~一二四四年)
6 追放(一二四四~一二九一年)
終章 アラブのコンプレクス
十字軍とはアラブにとって何だったのか? 豊富な史料を渉猟し、激動の12・13世紀をあざやかに、しかも手際よくまとめた反十字軍史。
11世紀から13世紀まで、200年にわたって西欧キリスト教徒が行った近東への軍事遠征―それが十字軍である。ヨーロッパ側の史料と史観に依拠することもっぱらで、ときに「聖戦」の代名詞ともされる、この中世最大の文明衝突の実相は、はたしてどのようなものだったのだろうか。豊富な一次史料を用い、ジャーナリストならではの生き生きとした語り口で、アラブ・イスラム教徒の観点からリアルな歴史を再現して、通念を覆し偏見を正すとともに、今日なお続く抗争と対立からの脱却の途を示唆する反十字軍史。
出典:勁草書房公式サイト