『流れ星のかなた―葛根廟事件からの生還』大島満吉(ユニコ舎)
2024年
382頁
定価:1,980円(税込)
目次(収録作品)
はじめに
王爺廟の街「興安街」
戦時体制
空襲
避難開始
混迷する情報と方針変更
愛犬チビとの別れ
地獄絵
自決の順番
脱出
一家離散
一軒家の主人
騎馬の四人組
絶体絶命
人はなぜに
収容所
ソ連の軍用列車
新京での出来事
内戦が始まった頃の生活
祖国日本への引き揚げ
祖母の懐
あとがき
(一)生まれ故郷に帰ってから
(二)葛根廟事件を伝えたいと思った動機
(三)ウユンさん
(四)私の人生訓
凄惨な殺戮現場を奇跡的に生き残った大島満吉氏が事件の全貌を証言!
1945(昭和20)年8月14日、昭和天皇が終戦の詔勅を読み上げる前日に、その衝撃的な事件は起こった。
日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連軍が侵攻。旧満洲国興安総省の葛根廟付近において日本人避難民千数百人に襲いかかる。大殺戮のあと、生き残った避難民は自決を強要され、またその後の地元民の暴徒やソ連兵の襲撃で、生存者はのちに発見された残留孤児を含めても百数十人に過ぎなかった。
凄惨な事件に遭った6人家族の大島家だが、奇跡的に5名が生還を果たす。
その日、ラマ教寺院のある葛根廟の大地でなにが起こったのか――。当時、11歳だった大島家の次男・満吉が事件を振り返る。出典:ユニコ舎公式サイト