2020年12月30日第1刷発行
358頁
目次(収録作品)
序章 戦没学徒と私
第1章 『きけわだつみのこえ』の誕生
第2章 バイブルへの道
第3章 倒された「わだつみ像」
第4章 「反天皇制」の中で
第5章 戦没学徒の「戦争責任」
第6章 追放された遺族
第7章 わだつみ学徒、五十年後の「死」
終章 次代にとっての「わだつみ」
あとがき
文春文庫版のためのあとがき
朝日文庫版のためのあとがき
解説 松本健一
解説に代えて 片山杜秀
著者は、ノンフィクション作家。
本書は、戦没学生の遺稿集『はるかなる山河に』『きけわだつみのこえ』を出版した「わだつみ会」(日本戦没学生記念会)の歴史を当事者たちに取材し論じたもの。
資料だけの研究ではなく、多数の当事者に取材しているのがよい。戦没学生の遺稿の継承と追悼のために結成された「わだつみ会」が、時を経るうちに特定の「思想」や「政治」に利用する人びとに乗っ取られてゆく過程は、興味深いとともに、その巧妙で卑劣な所業に気分が悪くなった。
内容に興味がある人には、まあまあおすすめ。
[筆者注]
(p.112)「『雲流るる果てに』という遺稿集」
(書名は、正確には『雲ながるる果てに』)
[関連]
『『きけわだつみのこえ』の戦後史』保坂正康(1999・文藝春秋)単行本
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『『きけわだつみのこえ』の戦後史』保坂正康(2002・文春文庫)
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