2019年7月25日初版発行
251頁
目次(収録作品)
1
美について
孤独を競う才能
歴史と文学
歴史について
伝統回復あせる(江藤淳)
三島君の事(小林秀雄)
『本居宣長』をめぐって
小林秀雄の『本居宣長』(江藤淳)
2
第九回新潮社文学賞選後感(小林秀雄)
江藤淳「漱石とその時代」(小林秀雄)
言葉と小林秀雄(江藤淳)
絶対的少数派(江藤淳)
本書は、小林秀雄と江藤淳の対談すべてと、それに関連する論説などを一書に編集したもの。
美、歴史、認識などについて語り合っている。対談は雑談に流れることも結構多いが、両者にはほどんどそのようなものはなく、一貫して知的な議論を行っている。
(p.65)
江藤 人間が普通に生きている姿を、ちょうど草花が種から芽を出してだんだん茎が伸び、花が咲くというふうには見ていない。花から逆に根を見るような、そういう見方をしてしまう。(略)ある時代が人間をつくるというのはおかしないい方で、ある人間が必要に応じて、時代を、歴史を呼び求めるにすぎないじゃないか、という気がいたします。なにも超越的な歴史が人間をとらえるのじゃなくて、人間が自分で生きる必要があるから、逆に歴史をとらえるんだろうと思います。
マルクス主義などの史観を否定的に述べている。全く江藤に賛同する。上記対談は、昭和42年(1967)に行われたものだが、この時代にこのような「常識」を語っているのは流石。
