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『クオーレ』デ・アミーチス(岩波文庫)

『クオーレ』デ・アミーチス、和田忠彦訳(岩波文庫)

2019年7月17日初版発行
499頁




目次(収録作品)

クオーレ

《解説》想像力のゆくえ――教育と物語のはざまで(和田忠彦)

少年マルコが母親を捜してイタリアから遠くアンデスの麓の町まで旅する「母をたずねて三千里」の原作を収録。どこの国でも、いつの時代でも変わらない親子の愛や家族の絆、あるいは博愛の精神を、心あたたまる筆致で描く、エドモンド・デ・アミーチス(1846‐1908)の代表作。世界中の人びとに愛読されつづけてきたイタリア文学の古典的名作。

本書表紙(カバー)より

(本書巻末)「本書は、一九九九年三月に新潮文庫の一冊として刊行されたのち、二〇〇七年に平凡社ライブラリーに収録された。今回の岩波文庫版は、平凡社ライブラリー版を底本とし、訳者による解説を付したものである。」

イタリアの11歳の少年エンリーコの一年間の生活を少年自身が記した日記風に描いた作品。それぞれの月の終わりに学校で話される「今月のお話」という”立派な少年”が主人公の物語と父母姉からの手紙が配される構成になっている。

「今月のお話」の物語は、質の高い短篇小説といえ、これだけを読んでいくという読み方もできる。
(この「今月のお話」の中の一篇が「母をたずねて三千里」である。)

子供の学校や家庭の生活だけでなく、教師、職人、目や耳が不自由な人たち、病人等々、市井の様々な人々も描かれている多くのエピソードがつまった良作。おすすめ。

[筆者注]
(p.159)「小柄でふとっと軍医が」。(おそらく)「ふとった」の誤植。

[関連]
『クオーレ』E・デ・アミーチス、和田忠彦訳(1999・新潮文庫)508頁
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『クオーレ』エドモンド・デ・アミーチス、和田忠彦訳(2007・平凡社ライブラリー)446頁
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