1995年
340頁
目次(収録作品)
お守の記
私信
野枝さんのこと
ふるさと
二つの皷
入学試験お伴の記
或る批評に答えて
鳴る浅間山の麓から
やまびとのたより
夏目先生の思い出
寺田さんのこと
世阿弥の言葉
ローマへ旅立つ息子に
その頃の思い出
政治への開眼
山荘より
トルーマン大統領への公開状
私の信条
ヒロシマに就いて
桜間弓川さんのこと
三つの「哀傷」
ベトナムの戦火に想う
巣箱
窓とおんぼろ楽器
バウム・クーヘンの話
作家野上弥生子(1885-1985)は,夏目漱石の推薦で発表した小説「縁」で,約80年に及ぶ文筆活動のスタートをきった.母親としての暖かい愛情,同時代の文人・学者達との交流,一市民として社会の動きを捉える冷徹な眼――達意の文章25篇を編年順に収めた本書を読むと,近・現代史を目の当たりに辿る思いがする。
本書表紙(カバー)より