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『共和主義の思想空間』田中秀夫・山脇直司編(名古屋大学出版会)

『共和主義の思想空間―シヴィック・ヒューマニズムの可能性』田中秀夫・山脇直司編(名古屋大学出版会)

2006年
576頁
定価:10,450円(税込)



能動的な市民参加による政治社会はいかにして可能なのか。ポーコックをはじめ近年大きな盛り上がりを見せた共和主義研究を参照点に、英米とヨーロッパにおける近代共和主義の多様な展開を跡づけるとともに、公共哲学としての現代的可能性を探った、わが国初の本格的共同研究。

出典:名古屋大学出版会公式サイト


目次(収録作品)

序章 甦る近代共和主義 ………… 田中秀夫
     1 甦る共和主義
     2 ポーコックの共和主義研究
     3 思想史研究としての共和主義研究の可能性

第Ⅰ部 イングランド共和主義の源流と展開
第1章 「平等なコモンウェルス」としてのオシアナ共和国 ………… 竹澤祐丈
     はじめに
     1 共和国設立の諸問題
     2 所有バランスの変化
     3 「拡張型コモンウェルス」
     4 「平等なコモンウェルス」
     おわりに —— 共和主義思想研究の新たな可能性のために

第2章 18世紀前半期イングランドにおける共和主義の2つの型 ………… 高濱俊幸
      ——『カトーの手紙』と『愛国王の理念』をめぐって
     はじめに —— 名誉革命期の共和主義事情
     1 『カトーの手紙』
     2 『愛国王の理念』
     おわりに

第3章 新マキャヴェッリ派の経済思想と共和主義 ………… 村井明彦
      —— ダヴナントの経済・社会分析の基盤
     はじめに
     1 新マキャヴェッリ派経済思想の理解のために
     2 ダヴナントにおける共和主義的経済・社会分析
     おわりに

第4章 政治家の条件 ………… 中澤信彦
      —— エドマンド・バークとシヴィック・ヒューマニズム
     はじめに
     1 「シヴィック・ヒューマニズム」を再訪する
     2 ポーコックのバーク論を再訪する
     3 バークにおけるシヴィックな問題設定 —— アダム・スミスとの比較
     4 バークが語る「政治家の条件」(1)
     5 バークが語る「政治家の条件」(2)
     おわりに

第5章 J・S・ミルと共和主義 ………… 小田川大典
     はじめに
     1 感情を養う政治的行為 —— 商業社会批判と参加デモクラシー
     2 道徳的自由の感情 —— シヴィック・リベラリズムの哲学的基礎
     おわりに

第Ⅱ部 スコットランドとアイルランドの啓蒙と共和主義
第6章 スコットランドにおける共和主義の伝統とフランス革命論争 ………… 田中秀夫
     1 共和主義の伝統
     2 「富と徳」問題から改革へ
     3 スコットランドにおけるフランス革命論争と共和主義
     4 スコットランドにおける共和主義の終焉
     おわりに

第7章 ヒュームと共和主義 ………… 犬塚 元
     はじめに —— 共和主義の定式をめぐる論争
     1 徳の政治学と共和政ローマ
     2 『オシアナ共和国』と「完全な共和国」
     3 ヒュームにおける共和主義、共和主義におけるヒューム

第8章 スコットランド啓蒙における民兵論の展開 ………… 天羽康夫
     はじめに
     1 アンドルー・フレッチャーの民兵論
     2 1760年前後の民兵論争
     3 アメリカ独立戦争と民兵問題
     おわりに

第9章 アダム・スミスと古典的共和主義の再興 ………… 渡辺恵一
      ——『道徳感情論』(初版)研究序説
     はじめに
     1 『道徳感情論』の主題と六版改訂問題
     2 『道徳感情論』徳性論の古典的枠組み
     3 『道徳感情論』と古典的有徳論の近代的再編
     おわりに

第10章 18世紀アイルランドにおける古来の国制論と共和主義 ………… 後藤浩子
     1 共和主義思想がアイルランドにおいてもつ意味
     2 新しき国家理念の創出 —— 名誉革命後の政治的議論
     3 ジョン・トーランドと「ブリテン人」—— コモンウェルスの夢と合邦論
     4 国教徒プロテスタントにおける「古来の国制論」の急進的展開
     5 アイルランドにおける古来の国制論の独自性

第Ⅲ部 ヨーロッパとアメリカにおける共和主義の源流
第11章 モンテスキューと共和主義 ………… 安武真隆
     はじめに
     1 「共和主義」概念をめぐる予備的考察
     2 「共和主義」と旧体制フランス
     3 「共和主義」とモンテスキュー
     おわりに

第12章 ルソーと共和主義 ………… 逸見修二
     はじめに
     1 ルソーと古典的共和主義
     2 シヴィック・ヒューマニストとしてのルソー
     3 フランス共和主義の源流とルソー
     おわりに

第13章 近代南イタリアにおける共和主義の運命 ………… 奥田 敬
      —— V・クオーコと1799年ナポリ革命
     1 「徳の過剰ゆえに倒れた革命」
     2 「共和国」としてのナポリ王国
     3 「有徳な君主政」と「公共の福祉」
     4 「共和主義」の精神からの「統計学」の誕生

第14章 ヘーゲルの国家・経済論における共和主義的側面について ………… 原田哲史
      —— 初期から後期へと結ぶモンテスキューの理念
     はじめに ——『法哲学要綱』における共和制の評価
     1 若きヘーゲルの古代ギリシアへの憧れ
     2 ヘーゲルの共和制像の原形
     3 共和制崩壊の意味
     4 青年ヘーゲルの飛翔
     おわりに

第15章 ジェイムズ・マディソンの共和制観 ………… 中野勝郎
      —— アメリカ建国期における共和制とデモクラシー
     はじめに
     1 徳
     2 混合政体
     3 規 模
     おわりに

第Ⅳ部 思想史から現代へ
第16章 共和主義研究と新公共主義 ………… 小林正弥
      —— 思想史と公共哲学
     はじめに —— 思想史と公共哲学との対話
     1 ケンブリッジ学派と共和主義研究
     2 今日の政治哲学としての共和主義
     3 実質的/形式的共和主義
     4 ポーコック・パラダイム再考
       —— 古典的共和主義からマキャヴェッリ的共和主義へ
     5 2つのシヴィック・ヒューマニズムと共和主義
       —— 公共民的人文主義/公共的人間主義
     6 公共民的人文主義への原点回帰 —— ポーコック・パラダイムの弱点克服
     7 新共和主義としての再定式化 —— 政治参加についての理想主義的現実主義
     おわりに —— 公共哲学としての新公共主義

第17章 シヴィック・ヒューマニズムの意味変容と今日的意義 ………… 山脇直司
      —— ポスト・リベラルでグローカルな公共哲学のために
     はじめに
     1 シヴィック・ヒューマニズムの脱マキャヴェッリ化
       —— 今日的シヴィック・ヒューマニズムの必要条件
     2 ポスト・リベラルなシヴィック・ヒューマニズム
       —— その政治思想的意義と課題
     3 シヴィック・ヒューマニズムと現代の経済倫理
       ——「シヴィック/シヴィル・ヒューマニズム」のために
     4 シヴィック/シヴィル・ヒューマニズムと「グローカル」公共哲学
       —— グローバリズムを批判しつつ、ローカリズムを超える思想

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