『論より詭弁―反論理的思考のすすめ』香西秀信(こうざい・ひでのぶ)(光文社新書)
2007年2月20日初版発行
193頁
著者は、学者(専門は、修辞学・国語科教育学)。(1958-2013)
書名の通り、詭弁について論じた本。
明解な文章で論理学を知らない人でも楽しく読める。(ただ、ちょっと難しい箇所があるかもしれない)
論理学の本は教科書的なものが多いが、これは一書の読み物として読めよい。ふつう論理学関連の本は、演繹、トートロジ-(同語反復)などの専門用語や論理記号が出てくるが、本書は(たしか)一切それらを用いないで書かれている。
論ずるために引用している文章も興味深いものを採り上げていてよい。
スティーブン・ピンカーの『言語を生み出す本能』での彼のウォーフに対する批判、への著者の批判の部分も興味深い。(p.98~)
ことばや論理的思考、レトリックに興味ある人にはおすすめの一書。
[参考]
『論争と「詭弁」―レトリックのための弁明』香西秀信(1999・丸善ライブラリー)
『レトリックと詭弁 禁断の議論術講座』香西秀信(2010・ちくま文庫)
『論理病をなおす!―処方箋としての詭弁』香西秀信(2009・ちくま新書)