『宣教師ウェストンの観た日本』ウォルター・ウェストン、山本秀峰訳(露蘭堂)
2014年
231頁
定価:3,520円(税込)
目次(収録作品)
絵の背景
日本アルプスと聖域
荘厳な祭りと楽しい祭り
赤ん坊の楽園
日本の宿屋
日本の家
スポーツと娯楽
道端の風景
対照と矛盾
困った質問―「日本人は正直か?」
〔ほか〕
日本の自然の様相は、火山国のほとんどがそうであるように、自然のままの壮大さ、すさまじい破壊性、そしてほぼ天国のような美しさ、という驚くべき多様性で構成されている。山々からは火山の噴火が突発する。台地からは身震いがやってくる。海からは恐ろしい大波が押し寄せてくる。さらには台風が猛威をふるう。夏・秋の雨による大水は、地滑りや洪水意をもたらす。こうした豊富な変化、激しいコントラストに加え、日本人の大部分は木と紙でつくった家に住み、したがって火災による突然のそして完全なる破壊にさらされているという事実が加わる。かれらは、生き生きとしており、感受性が強く、そして芸術的であることは決して驚くべきことではない。しかしまた絶えず、行政による是非もない惨害からの復興の必要性から、克己であり、辛抱強く、そしてさらに宿命的でもある。
ウォルター・ウェストン(本書より)出典:露蘭堂公式サイト