『東の国から―新しい日本における幻想と研究』ラフカディオ・ハーン、平井呈一訳(岩波文庫)
2025年
444頁
目次(収録作品)
夏の日の夢
九州の学生とともに
博多で
永遠の女性
生と死の断片
石仏
柔術
赤い婚礼
願望成就
横浜で
勇子──ひとつの追憶
訳者解説(平井呈一)
解説「西洋と東洋とのあいだをつなぐ知的共感」を夢見て(西成彦)
日清戦争前夜、古代伝説の出雲から、軍都としての色彩を強めていた熊本に移住したハーン。旅の宿屋で夢のあわいに浦島伝説へと入りこんだような「夏の日の夢」、一つの心中事件を描いて日本人の〈信仰〉に迫る「赤い婚礼」他、〈詩人の直観と哲人の思索〉に基づく繊細な筆をもって、当地で書き綴った近代日本の肖像。(解説=西成彦)
本書表紙(カバー)より