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『渡部昇一の世界史最終講義』渡部昇一・高山正之(飛鳥新社)

『渡部昇一の世界史最終講義』渡部昇一・高山正之(飛鳥新社)

単行本・ソフトカバー
2018年4月24日初版発行
237頁





英語学者、評論家の渡部昇一とジャーナリスト、コラムニスト(元産経新聞記者)の高山正之との対談本。

アメリカの悪行、日本国憲法や朝日新聞の問題、マッカーサー、金融グローバリズムそのほかについて語り合っている。
タイトルに「世界史講義」とあるが、そのような内容ではない。

なかなかおすすめ。

知らなかった知識もけっこうあり興味深い。以下に引用。

(p.89)
高山 [ジョージ・]ワシントンは総入れ歯で、自分のプランテーションで抱えていた400人の奴隷から、いきたまま歯を抜いて、何組も入れ歯を作っていました。

(p.90)
高山 先ほどお話のあった本間中将も、マッカーサーは自分に恥をかかせた恨みから、本間中将がバターン半島総攻撃を命じた、同じ4月3日の午前0時53分に処刑させています。

本間雅晴(ほんま・まさはる)

処刑は、1946年(昭和21年)4月3日0時53分、ちょうど4年前に第14軍司令官であった本間の口より総攻撃の命令が下された同じ月日、同じ時刻にあわせて執行された。(略)

1945年(昭和20年)12月19日審理開始、1946年2月11日判決、同年4月3日銃殺という早さで処刑されたのは、この裁判がコレヒドールで屈辱的な敗北をしたマッカーサーの本間への復讐劇であったと言われている。(Wikipedia

マッカーサー(GHQ)が、39人の戦争犯罪人の逮捕を命令したのは、ダコタ戦争でインディアン38人を一斉に絞首刑にしたアメリカ史上、最大の集団処刑記録を超えようとの意気込みが彼にあったからだ、との高山の推考(p.98~)は、真偽のほどを筆者に判断する見識はないが、十分あり得るものとして興味深く、有益なものであった。


ところで、こまかい事だが、(p.175)「占守島」のルビが「しゅむしとう」になっている。「しゅむしゅとう」が正しい。

また、本書に「前述したサンゴの落書きねつ造記事」(p.155)とあるが、「前述」されていないように思う。
また、吉田調書の誤報は、それに触れているだけで説明がないので念のために情報をまとめておく。

朝日新聞珊瑚記事捏造事件

1989年(平成元年)に沖縄県西表島において、朝日新聞社のカメラマン・本田嘉郎が珊瑚を傷つけ「K Y」と落書きした。その写真をもとに新聞記事を捏造した自作自演の虚報事件。
Wikipedia)(グーグル画像検索

朝日新聞による「吉田調書」誤報

2011年に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故で陣頭指揮にあたった、福島第一原子力発電所所長(当時)の吉田昌郎が、2014年5月に「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」(政府事故調)の聴取に応じた際の記録の通称。が「吉田調書」。

これを朝日新聞は、独占入手したとして「所員の9割が吉田所長の命令に違反して撤退した」と報道した。が、福島第一原発の取材をしていたジャーナリストの門田隆将がこの内容は事実ではないと批判。朝日は、誤報を認めなかったが、新聞各社、メディアからの批判が相次ぎ、結局、2014年9月11日に社長(木村伊量)出席の記者会見にて全面撤回及び謝罪を行った。(この会見で、慰安婦「強制連行」報道についてもはじめて謝罪した)

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