功利主義
行為や制度はその結果から生じる効用の総和によって評価されるとする帰結主義の思想。18世紀から脈々と続き、現代においては格差の認識や分配についての規定がないとロールズから批判された。
功利主義 入門・概論・各論
『道徳的に考えること―レベル・方法・要点』R・M・ヘア、内井惣七・山内友三郎監訳(1994・勁草書房)
『道徳の言語』R.M. ヘア、小泉仰・大久保正健訳(1982・勁草書房)
『合意による道徳』デイヴィド・ゴティエ、小林公訳(1999・木鐸社)
『権利・功利・自由』H・L・A・ハート、小林公・森村進訳(1997・木鐸社)
『法の概念 第3版』H・L・A・ハート、長谷部恭男訳(2014・ちくま学芸文庫)
『功利主義は生き残るか―経済倫理学の構築に向けて』松嶋敦茂(2019・勁草書房)
『統治と功利―功利主義リベラリズムの擁護』安藤馨(2007・勁草書房)
『シジウィックと現代功利主義』奥野満里子(2014・勁草書房)
『功利主義と経済学―シジウィックの実践哲学の射程』中井大介(2009・晃洋書房)
『近代イギリス倫理学と宗教―バトラーとシジウィック』行安茂(1999・晃洋書房)
『生命倫理学と功利主義』伊勢田哲治・ 樫則章編(2006・ナカニシヤ出版)
『功利主義と社会改革の諸思想』音無通宏編著(2007・中央大学出版部)
『合理的選択と契約』小林公(1991・弘文堂)
『功利主義と分析哲学―経験論哲学入門』一ノ瀬正樹(2010・放送大学教育振興会)
『功利主義と法理論 法哲学年報1987』日本法哲学会編(1988・有斐閣)
ベンサム(Jeremy Bentham, 1748-1832)
イギリスの哲学者・法学者・経済学者。「快楽や幸福をもたらす行為が善である」という功利主義を掲げ、それまでに支配的だった権威主義を斥けた。「最大多数の最大幸福」。
『世界の名著49 ベンサム J.S.ミル』ベンサム、J・S・ミル、大河内一男編(1979・中公文庫バックス)
『民事および刑事立法論』ジェレミー・ベンタム、E・デュモン編、長谷川正安訳(1998・勁草書房)
『ベンサム』J・R・ディンウィディ、永井義雄・近藤加代子訳(1993・日本経済評論社)
『ベンサムとコウルリッジ』J・S・ミル、松本啓訳(2010・みすず書房)
『ベンサム』(イギリス思想叢書)永井義雄(2003・研究社)
『自由と調和を求めて―ベンサム時代の政治・経済思想』永井義雄(2000・ミネルヴァ書房)
『イギリス近代社会思想史研究』永井義雄(1996・未來社)
『ベンサム』(Century Books―人と思想16)山田英世(2014・清水書院)
『ベンサムという男―法と欲望のかたち』土屋恵一郎(1993・青土社)
『社会統治と教育―ベンサムの教育思想』小松佳代子(2006・流通経済大学出版会)
『世界の立法者、ベンサム―功利主義法思想の再生』戒能通弘(2007・日本評論社)
『私のベンタム研究―ジェレミー・ベンタムと法律』長谷川正安(2000・日本評論社)
『ベンサム倫理学・教育学論集』西尾孝司(2002・御茶の水書房)
『ベンサムの幸福論』西尾孝司(2016・晃洋書房)
『ベンサム『憲法典』の構想』西尾孝司(1995・木鐸社)
『ランド・オブ・フィクション―ベンタムにおける功利性と合理性』船木亨(1998・木鐸社)
『法実証主義と功利主義―ベンサムとその周辺』深田三徳(1984・木鐸社)
ミル(John Stuart Mill, 1806-1873)
イギリスの哲学者・経済学者。功利主義の立場から人間の尊厳と人格を考察し、快楽を量的と見なすベンサムと異なり質的な差異をみとめた。
『世界の名著49 ベンサム J.S.ミル』ベンサム、J・S・ミル、大河内一男編(1979・中公文庫バックス)
『自由論』J・S・ミル、塩尻公明・木村健康訳(1971・岩波文庫)
『代議制統治論』J.S.ミル、水田洋訳(1997・岩波文庫)
『ミル自伝』J・S・ミル、朱牟田夏雄訳(1960・岩波文庫)
『ミル自伝』(大人の本棚)J・S・ミル、村井章子訳(2008・みすず書房)
『評註 ミル自伝』J・S・ミル、山下重一訳注(2003・御茶の水書房)
『ベンサムとコウルリッジ』J・S・ミル、松本啓訳(2010・みすず書房)
『ミル『自由論』再読』ジョン・グレイ、G・W・スミス編、泉谷周三郎・大久保正健訳(2001・木鐸社)
『J.S.ミル評伝』アレクサンダー・ベイン、山下重一・矢島杜夫訳(1993・御茶の水書房)
『J・S・ミル』(Century Books―人と思想18)菊川忠夫(新装版2015・清水書院)
『J.S.ミル』(イギリス思想叢書)小泉仰(1997・研究社出版)
『ミルの『自由論』とロマン主義―J.S.ミルとその周辺』矢島杜夫(2006・御茶の水書房)
『J.S.ミルの経済学』馬渡尚憲(1997・御茶の水書房)
『J.S.ミル思想の展開』(全3巻)四野宮三郎(御茶の水書房)
『ミルとジャマイカ事件』山下重一(1998・御茶の水書房)
『J.S.ミルの政治経済学』前原正美(1998・白桃書房)
シンガー(Peter Singer, 1946- )
オーストラリアの現代功利主義者。功利的な計算の対象を広げて特に生命倫理の分野で活躍。動物の権利や環境問題、南北問題についての言説はそれらの思想的根拠として広く活用されている。
『実践の倫理』ピーター・シンガー、山内友三郎・塚崎智監訳(新版1999・昭和堂)
『グローバリゼーションの倫理学』ピーター・シンガー、山内友三郎・樫則章訳(2005・昭和堂)
『生と死の倫理―伝統的倫理の崩壊』ピーター・シンガー、樫則章訳(1998・昭和堂)
『「正義」の倫理―ジョージ・W.ブッシュの善と悪』ピーター・シンガー、中野勝郎訳(2004・昭和堂)
『私たちはどう生きるべきか』ピーター・シンガー、山内友三郎監訳(2013・ちくま学芸文庫)
『人命の脱神聖化』ピーター・シンガー、浅井篤・村上弥生・山内友三郎 監訳(2007・晃洋書房)
『ヘーゲル入門―精神の冒険』ピーター・シンガー、島崎隆訳(1995・青木書店)
『マルクス』ピーター・シンガー、重田晃一訳(1989・雄松堂出版)
『現実的な左翼に進化する』ピーター・シンガー、竹内久美子訳(2003・新潮社)
『生殖革命―子供の新しい作り方』ピーター・シンガー、ディーン・ウェールズ、加茂直樹訳(1988・晃洋書房)
『大型類人猿の権利宣言』パオラ・カヴァリエリ、ピーター・シンガー、山内友三郎・西田利貞訳(2001・昭和堂)
『シンガーの実践倫理を読み解く―地球時代の生き方』山内友三郎・浅井篤編(2008・昭和堂)
※勁草書房「現代リベラリズムとその周辺ブックガイド」を参考に作成。
・現代リベラリズムとその周辺 ブックガイド 全体像 入門・概論・各論
・現代リベラリズムとその周辺 ブックガイド リバタリアニズム
・現代リベラリズムとその周辺 ブックガイド コミュニタリアニズム